南無妙法蓮華経
信じて唱える
あなたの姿は
尊い仏の姿です

3月になりました。 今月のお言葉は、『上野尼御前御返事』の「法華経と申すは手にとれば其の手やがて仏になり口に唱うれば其の口即ち仏也」という一節から。この言葉は回向や引導の中でよく唱えられている言葉です。いい言葉なんです。 この前文に、「或は前花後菓と申して花は前に菓は後なり。或は前菓後花と申して菓は前に花は後なり・・・、蓮華と申す花は菓と花と同時なり。」と蓮華は花と菓が同時なんですよと蓮華の例えを引き、法華経というのは、手に取ればそのあなたの手が仏様の御手のように尊い姿になり、口に唱えればその口がそのまま仏となる、あなたが発する言葉は仏様のように人に安心を与えるのですよ、と法華経の功徳をわかりやすく伝えます。即身成仏です。 例えて次の文が続きます。 「譬えば天月の東の山の端に出ずれば、其の時、即ち水に影の浮かぶが如く、音とひびきとの同時なるが如し。故に経に云く『若し法を聞くこと有らん者は一(ひとり)として成仏せざること無し』云云。文の心は此の経を持つ人は百人は百人ながら、千人は千人ながら、一人もかけず仏に成ると申す文なり。」と。日蓮聖人は法華経を受持する功徳を何とも心が温かく包まれるような言葉に変えてお手紙をお送りしているのです。 きっと上野尼御前もお手紙を読みながら、不安だった気持ちがスゥーと解けていったのではないでしょうか。心強くなるお手紙ですね。